私はもともとゴルフクラブをつくる職人でしたが、経験の中で気づいたことがあったのです。初期の頃のお話ですが新しいクラブをお客様にお引き渡しして、スイングを見ると、ほとんどの方が以前とは違ったスイングをなさっていたのです。
なぜか不思議でしたが、「クラブが変わると無意識に身体の動きも変わる」ようなのです。つまり「頭の中のイメージと身体の動きにズレができる」のですね。
これに気づいたことがお客さまの頭の中のイメージに合わせて体が自然に動くようなゴルフクラブを作りながら、お客さまのスイングの調整までをすることになったきっかけです。
身体は無意識的なクセを持っていますから、これを修正するのは大変です。ならば、意識できる頭の中のイメージを、身体のクセにあわせて修正すれば、無理なく自然に頭と身体のギャップを解消できるのではと考えました。
イメージを修正するレッスン、そのために会話、特に「身体に伝わる言葉」「頭の中のイメージを変える言葉」が重要となります。
以来20年、たくさんのお客さまに接してきました。
身体のクセは人それぞれ。ある方は歩き方、ある方は学生の頃になさっていた野球やスキー。またある方は日本舞踊やヒップホップダンス―。
常に試行錯誤して「言葉」で頭と身体をほぐしながらよりいいボールが打てるよう、会話を大切にサポートしてきました。その経験が、私の「言葉」を鍛えてくれたと思っています。個々のお客さまに最も響く「言葉」を選んでアドバイスすることができるようになったのですね。
皆さんが身につけた身体のクセを無駄にせず、それを活かしてゴルフを楽しんでいただく事。